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「新八犬伝」はマスターテープの
消去により、残された4話分の他は
もはや見ることのかなわない幻の
作品となってしまいました。
しかし、実はＴＶ放送終了時期に
その人気ゆえに映画版がつくられ、
全国の劇場で上映されていたの
です。日本が誇る特撮シリーズ、
「ゴジラ」の新作「メカゴジラの逆襲」
の併映として。
右は当時の映画ポスターです。
クリックすると拡大画像を見る
ことができます。( 画像提供感謝：
ヨシナリさん)
下の画像は映画のロビーカードで、
クリックすると拡大画像（約70KB）が
見られます。 （画像提供感謝：
緑一色さん）
パンフレット紹介文・・・・・時をさかのぼること五百年、諸国騒然とした
戦国の世。所は房総・安房の国（現在の千葉県）。里見城主の
一人娘・伏姫を守るべく八犬士が集った！
同志のしるしは不思議な霊験がただよう八つの珠。
犬塚信乃を人気頭に八犬士の奇想天外な大活躍が
くりひろげられる！ 馬琴の名作「南総里見八犬伝」を下地にした
評判テレビ人形劇を劇場用にあらためて作り上げた話題作！ |
この映画版はＴＶで放送されたフィルムを再編集したものではなく、
人形やセット一式を、砧にある東宝映画の撮影現場に持ち込み、
ＴＶの人形劇撮影とも重なっていたために１週間というハードスケジュール
の中、すべて新しく作り直されて撮影されたものだそうです。
（スタッフの証言より）
内容は、物語のはじめから物語前半部のクライマックス、
信乃と現八の「芳流閣の決闘」までを約４０分にまとめたものです。
1話、20話、86話、最終回の464話しか、ＴＶ映像が残されていない今、
重要かつ貴重なシーンがたくさん収められています。
映画版の冒頭では、スクリーンいっぱいに「黒子の九ちゃん」こと
坂本九氏が笑顔で登場。
ＴＶ版同様、元気いっぱいのお声と絶妙のテンポによるナレーションに
続いて、八犬士の勢揃い。 それぞれ名乗りをあげての決めポーズ。
里見義実の問題の一言によって城を八房と共に出る伏姫、玉梓が怨霊の
誕生の謎、その伏姫の最期、さらに、元気に育つという言い伝えのために
少女の格好で育てられた信乃の登場そして元服。浜路との恋。
蟇六と網乾左母二郎の悪巧みにより、すり返られた名刀村雨のニセモノを
持って古河へ向かう信乃。
そしてニセモノとわかり追われる信乃と、仲間と知らずに死刑を免れる
条件で信乃を追う現八、その二人が芳流閣で戦い、足を滑らせ川に落ち
二人して流された後、病に伏せる信乃。
その隣の部屋で左母二郎に斬られた、浜路と信乃の再会。
現八と信乃が お互いに犬士であることがわかるまで。
しかし、公開期間を過ぎてからは、再上映やＴＶの映画枠でも
取り上げられることはありませんでした。
また、「第一部」と称しているのに「第二部」は作られませんでした。
すでに次のシリーズ作品「真田十勇士」が始まり、放送されていたため、
スケジュールが合わなくなったからだそうです。
長い間、東宝の倉庫に眠っていたこの映画版をどうしても見たい！
その思いから(詳しくは雑記のページの私と「新八犬伝」をご参照ください)
まずは平成12年4月に、たのみこむというサイトに
「幻の人形劇「新八犬伝」劇場版のビデオ化」を発案し賛同を訴えました。
（映画ジャンルで最高 7位にランキングされました。)
そして、同じく平成12年7月に、映画版が残っていることをもっと広く皆様に
お知らせしフィルムを蘇らせるために、このサイトを立ち上げました。
平成13年9月、東京・池袋の映画館「新文芸坐」の関口芳雄さんより、
この映画版をぜひ上映したいとの嬉しい相談のメールをいただきました。
「新八犬伝」のファンでいらっしゃった関口さんが、偶然このＨＰを見つけて
初めて映画版があることを知り、すぐに東宝さんにフィルムの確認をして
いただいたとのこと。 そして、上映できる状態で映画版が残っており、
プログラムに組んでもらえるよう、担当の方に
「新八犬伝」をプッシュして
いただいたのだそうです。
そして平成13年（2001年）10月6日、実に26年ぶりに貴重な映像が
映画館のスクリーンで上映されました！
池袋の「新文芸坐」にて夜11時から開映されるオールナイト、
4本立てのうちの最初の1本として上映されました。この約40分の上映の
ために東は秋田県、西は岡山県と全国各地からファンが集いました。
辻村寿三郎先生の舞台挨拶もあり、映画館はほぼ満席でした。
上映会及び人形操演の伊東万里子さんを迎えたオフ会レポートは
こちらです。また、この上映会の模様は雑誌「電撃特撮通信Vol.6」でも
1Pを使って紹介されました。
この上映は東京都内での企画だったため、お住まいの場所の関係で
見られなかったファンのためにも、当ＨＰでは引き続きビデオ化のお願いを
続けましたが、この復活上映会がきっかけとなり、当時企画が進行中
だったDVD『NHK人形劇クロニクル』シリーズとともに、映画版もリリース
されることが決定。
平成15年（2003年）1月24日に待望のDVD『NHK人形劇クロニクルシリーズ
第4巻 辻村ジュサブローの世界〜新八犬伝〜』が発売となり、
そのイベントとして発売翌日の1月25日に『DVD「劇場版 新・八犬伝」
リリース記念オールナイト 伝奇人形劇スペクタクル＋１（プラスワン）」が
前回と同じ、池袋の「新文芸坐」にて夜11時から開催され、再び映画版が
スクリーンで上映されました。 その時の様子はこちらです。
この2回目のオールナイトに合わせて当ＨＰ第3回オフ会も行いました。
こうして夢が叶い、全国のファンが待ちに待った平成15年3月21日、
DVD『新八犬伝 劇場版』が発売となりました。
いつでも家庭で見ることができるようになり、当ＨＰ開設の初めの目的は、
ここを訪ねてきてくださった同志の皆様のおかげで達せられました。
ありがとうございました。
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