みなさん、こんばんは。こんなに老けてしまいました。（笑）

人間も年をとりますけれども、人形も年をとりましてね。
動く人形というのは無理して動かしているもんですから、
どんどん壊れちゃって、ほとんど残っていないんです。
だから「新八犬伝」の人形は、もうほとんど・・・。
僕の人形館には、お勝という女の子が残っているだけですね、
あと額蔵さんが残っていますけど。
そんな状態でね、もうばらばらでございます。

寿三郎です。よろしくお願いいたします。

今日は遠くからいらっしゃってるそうで
皆さん泊りがけらしいですね。大変ですね。
それでこんな時間ですから、
長々とお話しすると、帰る時間がなくなっちゃう、困る人も
出てきますので、できるだけ早く引っ込んでしまいます。

東宝で撮った映画なんです。子供の夏休み番組の劇場映画と言うのが当時からありまして。
その時のために芳流閣の場を撮ったわけですけど、4日間缶詰めになりまして。
僕も一生懸命がんばりまして、たぶん玉梓を使っていると思いますけれども。

当時まだ、今日も来ていますけれど息子が小学生でして、たぶん劇場に連れていって
見せてやりましたけれども、記憶にありません。（笑）
どんなことやっているんでしょう。（笑）　

（ＴＶの『新八犬伝』について）とにかく夢中で始まりました、これは。
それまではほとんどデフォルメされた人形で、途端になんかえらいシビアな人形が出てきて。
最初から皆さんの混乱を招きましたけれども。

第1話で玉梓と言う悪い女が出てきますけれど、これは死んで本編では出てこないはずなのが、
すぐに1週間もしないうちに投書が来まして「あれを出せ〜あれを出せ〜」
結局は作家が・・・、最後まで玉梓と八犬士の戦いという全然違った話にしちゃいましたけどね。
これは実は、皆さん見ている方がこの玉梓と言う悪い女のヒーローを作っちゃったというか。
だから、最初は一場だけ首を斬られる小さい玉梓がでてきますけれども。
そのあと投書が参りまして、これは何とかしなければいけないっていうんで、
大きなすごい玉梓になって出てくる訳ですけど。
どういうわけだか悪役と言うのはジュサブローが一手に引き受けて動かしておりました。
舟虫とか亀篠とか、そういう役をやっていました。

今日も皆さん遠くからも来ていらっしゃるし、来れない人がもっと一杯いると思うんですよね。
面白い話は一杯あるんです、撮っている最中の話がね。だから、普通の時間で、
今度はお話を含んだ上映会というのをやってください、と言っていたんですけれども。
そうなりましたら、またどうぞ皆さん楽しみに。いろいろ秘話がございまして。

そんなことを話しているうちにそろそろ時間になりました。
皆さん楽しくご覧になってください。

人形町では私のところに来てくだされば、今日はほんとは持ってきたかったんだけど、八房くん、
小さいわんちゃんで、ボロボロになって雑巾のように汚くなっておりますけど、それは健在です。
時々会いに来てやってください。

本日はどうもありがとうございました。
楽しく私も見させていただきます。

(画像提供：山賢さん　ありがとうございます)