新八犬伝 第28話
「やいやい、起きろ!」
部屋に忍び込んだ左母二郎に、枕をけとばされて、目がさめた信乃、
「くせものっ!」
と叫んで、枕もとの刀を取った。
実は、これが名刀村雨なのだが、見たところ粗末だし、
あまり無造作に置いてあったから、さもしい男の左母二郎も、
まさかこれがねらいの名刀だとは気がつかない。
「お前は、だれだっ?」
「拙者、網乾左母二郎---縁あって、人に頼まれ、名刀村雨を
頂きに推参致した」
「頼まれたと・・・・・・いったいだれに?」
「そんなことどうでもいい。さあ、名刀村雨のかくし場所を言え。
さもなけりゃ命はないぞ!」
「知るもんか・・・・・・」
「シラを切るつもりなら、痛い目に会わすぞ、そーれ」
左母二郎、刀の先でチョイチョイと突いてくる。
信乃も、刀を取って立ち向かうが、なんといっても、
元服したてで、まだ子ども。
追いつめられたあげく、なわでぐるぐる巻きにされちゃった。
それだけじゃない---
松の木の枝に吊りさげられ、ムチでたたかれての、
なんとも残酷な責め苦。
語り | |
なんとまあ、ひどいことをする網乾左母二郎。 犬塚信乃を裸にしてグルグル巻きに縛り上げ、松の木の大枝から吊り下げたァ! |
左母二郎 | さあ、言え!・・・名刀村雨のかくし場所を言え! 言わなければ・・・そーれ |
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(と、ムチをふるう SE ピシーリ) |
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信乃 | ウウッ! |
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左母二郎 | そーれ |
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(SE ピシーリ) |
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信乃 | ウウウウッ! |
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語り | こんなザンコクな場面を、長々とやるのもどうかと思うので、時間を繰り上げることに致しましょう |
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(左母、もっと鞭をふるいたいのだが、ハッとしてカメラに向かって抗議の態度!) |
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第28話シナリオ&「新八犬伝」ストーリー本・上巻P74〜75より。写真には人形操作の方の手が写っています。(写真提供:辻村寿三郎氏)
もしかして、人気投票のコメントはこのシーンのことを指していたのかな?
こんな酷なシーンを九ちゃん止めてくれてありがとう。誰ですか? もっと見たかったなんて言う人は!?(爆)
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